第19章 第十八話 本部襲撃
パッと羽を広げてユキサが空を飛ぶ。
気をつけて下さいねという言葉に小さく頷いてユキサはその場を去った。
アレンも科学班のメンバーと共にその場を離れた。
そんな中、卵を破壊するようにと司令部から命じられた。
ミランダの発動停止と同時に攻撃を撃ち込む。
彩音と不二も頷き、いつでもいいぞとクロスがミランダに言ったその時だった。
ブクブクとミランダの足元に水が溜まり始めた。
「キャッ…!!」
「ミランダ!」
音を聞いていたマリがハッと気づいた時にはミランダは水球に捕らわれてた。
聖人ノ詩篇<ノエル・オルガノン>を発動させるが、液体を捕らえることは出来ない。
ゴボッとミランダが水の中で息を吐き出す。
「なんだありゃぁ?生き物か?」
「色のノアだな。あれはあらゆる物に変身できる」
「厄介な能力の女ね…発動を止めろ!」
「ミランダ!!」
彩音が叫んで、ルル=ベルに向けて矢を放つ。
しかしマリと同じように矢は貫通して何の効果もない。
ミランダが気を失った事により刻盤<タイム・レコード>の発動が止まり、卵が沈み始めた。
マリが弦で卵を引っ張る。
「伯爵に返す気はぁないぜ?」
ソカロの言葉で一斉に元帥たちが攻撃を仕掛けた。
ルル=ベルは全ての攻撃を弾き、卵を守るためにその姿を変え始めた。
ミランダを捕らえた場所だけは液体のまま、周りは鎧のように硬いものに変化している。
不二や彩音も、隙を見ては卵へ攻撃を仕掛けた。
「アレンのようにAKUMAの気配がわかればな…」
呟きながら空を飛んでいるユキサが辺りを見回す。
様子が変なAKUMAはいないか、動いてるAKUMAはいないか、目を凝らすが見つからない。
改造された団員たちがいる場所へと出た。
「!! ジョニー!?」
「ユキサ…!皆、が…!!!」
オレのせいで…!
バキ、ボキ…と嫌な音が響き、ユキサがゆっくりと振り返る。
そこには、団員を食っている巨大なAKUMAの姿。
「ッ…!!」
デスサイズ、発動!!とユキサが叫んだ。