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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第18章 第十七話 帰郷


「彩音、何もされてないさ!?何かされてたら不二がどんな顔するか…」
「だ、大丈夫だよラビ、ちょっと触られただけで…」
「どこ触られたんさーーーー!?」

ぎゃあぎゃあと騒がしくなる面々を見てユキサは小さく微笑みながら、眠る不二の元へ足を進めた。
顔色も良くなり、落ち着いてきている呼吸を聞きながら、ホッと安心する。
と突然騒ぎが静かになり、ちょっと聞いてるんですか師匠!?というアレンの声にそちらに視線を移した。
こちらを見て目を見開いているクロスと目が合う。

「お前………」
「………?」

一瞬首を傾げたユキサだったが、あれ?と思った。
クロスとは初めて会うはずなのだが…なんだか…。

―――――私はこの男を知っている気がする。

「なぁユウ…いいのか、見つめ合ってるけど」

ぼそりと囁いてきたラビの方を見向きもせず、神田がユキサに向かって歩いた。
腕を掴んで名を呼ぶと、ハッと我に返ったかのように神田を見る。
虚ろだったその瞳に光が戻っているのを見て、神田は小さく安堵する。

「ごめん、ちょっとぼーっとしてた…。えっと、クロス元帥。ユキサといいます」

半年前ほどに蝦夷の地で神田にエクソシストとして教団に連れてこられた経緯を簡単に話した。
それを聞いていたクロスが、そうかと短く返事を返す。
何やらいつもと様子が違うクロスに、アレンも首を傾げていた。



「江戸接続?」

なんですか?それとアレンが疑問を投げつける。
めんどくさそうにしながら、いいから言えとクロスは言った。
それで外に出られる。

色々と納得がいかないようで、あとでちゃんと教えてもらいますからねとクロスに怒るアレンの後ろから、ラビが嬉しそうに飛びついた。

「アーレン!オレも聴きたいさー!」
「早くしろモヤシ」

ゲッとラビが青ざめる。
モヤシと呼ばれたアレンと神田の睨み合いが始まった。
リナリーが2人の仲裁に入る。
そんな3人をよそに、ユキサはピアノをじっと見つめていた。

「ユキサ?どうかしたの??」
「………」
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