第18章 第十七話 帰郷
今出られるか確かめます、とアレンが近くの扉を開けた時だった。
―――足元に床がない。
「うわっ!!」
「このっ」
「神田!!」
「ユキサ!」
アレンが咄嗟に近くにいた神田の足を掴んで巻き込み、その神田の腕を慌ててユキサが掴んだが支えきれず、落ちかけるユキサの足をラビが掴んだ。
そして最後にラビの足をチャオジーが掴む。
「テメェモヤシ!落ちるなら1人で落ちろ!!」
「アレンです」
「2人とも喧嘩しないで…っ!!」
「(ま、まともに下を見れないっ…ユウに殺される!!)」
「い、今引き上げるっス…!!!」
ギャーギャー騒ぐアレンと神田の重みにユキサが羽を発動させながら引っ張るが持ち上がらない。
滑り落ちそうになる手に気づいた神田が、アレンと言い合いを続けながらも掴まれている腕の手でユキサの腕をしっかり握った。
ラビはユキサの足を掴んでいるが、視界が色々と危ないので思いっきり顔を逸している。
団服がショートパンツでよかったとラビは思った。(よくはないが)
チャオジーが歯を食いしばった時、キン!と光が走る。
それが手首にくっつくと、ブレスレットに変化した。
瞬間、4人が放り投げられる。
短い悲鳴と共に、アレンを下敷きに、神田、ユキサ、ラビの順に重なって落ちた。
「重いぃぃぃ……!!」
「ラビ…お、もい…」
「馬鹿ウサギ…早くどけ…!」
「いってェ!!」
ユキサを抱き寄せて神田がラビを蹴落とした。
反動にぐぇとカエルが潰れたようなアレンの声がする。
慌ててユキサも立ち上がり、神田とアレンも体を起こした。
「そっかぁ~!お前、適合者だったもんなぁ!」
「そうなんだ?」
怪力~!と嬉しそうに言うラビに、ユキサも助けてくれてありがとうとチャオジーに声をかける。
アニタ様たちがくれたんだ…とチャオジーが大事そうにブレスレットを掴む。