第18章 第十七話 帰郷
「ユウのパッツ「上等じゃねェか馬鹿ウサギ」ユウ!!!」
バンッと神田が扉を開いた。
瞬間、そこにいたラビとチャオジーが嬉しそうに振り返る。
壁に手を付きながら、ユキサも2人に微笑んだ。
「ユキサ!と…彩音と不二も!!」
よかったさー!と嬉しそうに言うラビに、そっちもとユキサが言う。
それよりこれはどーなってるという神田の問いに、ラビが再び叫び出した。
「オレにもサッパリさ~…コラーーーーー!!出てこいっつのモヤシーーーーー!!!」
『誰がモヤシかバカラビーーーーー!!!』
「うお!?アレン!?どこから…!?」
「チッ、モヤシの声が空から…?」
『アレンですバ神田!!!!』
ギャーギャーと喚く光景を、ユキサは壁を背に座って見ていた。
姿が見えないリナリーと、それからクロスとも合流したということで2人の無事も確認できた。
よかった、本当に…とユキサは安堵の息を漏らした。
あれからアレンが扉を繋げ、合流する事が出来た。
ちょうどその頃彩音も無事目を覚まし、まだ目を覚まさない不二をアレンが休ませられる部屋へと運んだ。
アレンはラビたちに説明するために部屋を出ると言ったが、彩音は不二の傍に居たいと部屋に残る。
部屋にはクロスとリナリーが休んでおり、クロスに彩音が軽く挨拶を交わした。
「おぅ、お前らだな。例の異界の適合者は」
「あ…はい。小鳥遊彩音です。こっちは不二周助です」
アレンから一通りクロスの事は聞いているため、彩音は内心ドキドキしながら話をしていた。
タバコをふかすクロスを見て、彩音が疑問を口にする。
「あの…色々話は聞いていたんですが、クロス元帥はどちらにいらっしゃったんですか?」
江戸にはいなかった、とクロスを追っていたジャスデビが言っていた。
少し面倒そうに頭を掻きながら、クロスが簡単に答える。
アレンたちが方舟へ吸い込まれる前から、実は方舟には乗り込んでいた。
AKUMA生成工場はやはり方舟にあり、それを破壊するためだった。
しかし伯爵が新しい方舟へ移そうとしていたために、それを阻止する事を優先。