第2章 第一話 黒の教団
ーーーーー古代都市マテール。
「引きつけろ…いいぞ、そのまま…」
キィーン!と光が走り、AKUMAは光のキューブに囚われる。
ファインダーたちが決死の覚悟で捕らえたAKUMAは2体。
エクソシストたちが来るまでの時間稼ぎだ。
しかしファインダーの中には不安を抱いている者もいる。
本当にAKUMAは2体だけなのか、エクソシストが来るまで持ちこたえられるのか。
いや、持ちこたえねばならない。
そう思った、その時だったーーーーー。
『うわぁぁーーー!!』
『け、結界が…!!うわあああああ!!』
通信機から聞こえる断末魔に、グゾル、ララと共にいるファインダーたちは息を呑んだ。
ファインダーの1人が、呟く。
「外の部隊は…全滅した…」
ザワザワと周囲が騒がしくなった。
もう一度AKUMAを結界に閉じ込めるにしても人数が足りず、手詰まりである。
かと言って何もしなければいずれここが見つかってイノセンスが…。
「ララ…逃げるんだ…!」
「ううん、グゾル…。私はグゾルと一緒にいるわ」
「…。最後の手段だ、私に考えがある。なんとしても、マテールの亡霊は守らなくてはならない。…そして、地下のあの方達も」
ーーーーーエクソシストが来るまで耐えるんだ…。
一方地下にて、彩音と不二はファインダーに地上に出るよう言われていた。
敵が迫っているため1箇所にまとまってほしいとの事だった。
エクソシストがこちらへ向かっている、それまで耐えてほしい、と。
2人はイノセンスを一度は発動したが安定せずに消えてしまい、今は取り出す事も出来なくなっていた。
敵が迫っているという言葉に、彩音は体が震えた。
「周助…」
「大丈夫。絶対に彩音は、僕が守るからね」
ーーーーー今はファインダーの言う通りに上に行こう、エクソシストが来たら、きっと活路が開ける。
その言葉に彩音は強く頷き、立ち上がった。