第17章 第十六話 ツインズ・ルーム
スッ…とその攻撃を避け、不二がグングニルを振る。
ジャスデビはその攻撃をかわすが、そこへ無数の光の矢が降り注いだ。
気を飛ばして矢を全て弾き落とす。
不二が地を蹴ってジャスデビに襲いかかった。
素早い突きに、ジャスデビの脇をかする。
2人相手だとやりにくい。
しかもこの2人は自分たちと同じくらいコンビネーションが良い。
ジャスデビは大きく舌打ちをした。
「なら…まずは!!!」
「!!」
「きゃぁ!」
ハッと気づいたときには、彩音がジャスデビの髪に巻きつけられた。
フフンと笑いながら、彩音を盾にする。
「これでお前は手を出せねェ!!」
「…っ…なめ、ないで…!イノセンス、第二開放!!」
「なにっ!」
ザンッとジャスデビの髪を斬り落とした。
先程弓を持っていた彩音の手には、剣が握られている。
かなり前から第二開放は出来ていた彩音だったが、遠距離での戦いが多く近接は正直苦手だった。
しかし接近戦で攻撃してくるジャスデビに弓は不利だ。
「こんなことなら神田に教わっておくべきだったかな」
「神田が素直に教えてくれるとは思わないけれど、ね」
ふぅ…と息を吐いて彩音がジャスデビに剣を向ける。
フレイム!という掛け声とともに、彩音の剣から火球が飛んだ。
ジャスデビが火球を弾くと、目の前に不二が迫る。
背後には彩音が回り込んでいた。
ジャスデビが大きく飛んで避け、2人に向けて気を放つ。
彩音がフリーズを唱えて、氷の壁でそれを受け止めた。
お互いの力は互角…いや若干彩音と不二が上回っているだろう。
ギリとジャスデビが唇を噛むと、不二がくすりと笑った。
「…キミたちは確か、『絆』のノアだと言っていたよね?」
「それがなんだよ!!」
ジャスデビが2人に襲いかかる。
彩音と不二が左右に避け、ジャスデビは彩音に向かっていった。
剣で受け止めた一撃は受け止めきれず、彩音は壁に叩きつけられる。
彩音に向かって髪を伸ばせば、それを読んでいたかのように不二がグングニルを振り落とした。