第17章 第十六話 ツインズ・ルーム
パンッ!!とジャスデビが互いの頭を撃った。
2人の影が、ゆっくりと混じり合っていく。
ラビが叫んだ。
「彩音!不二!上だ!!!」
気づいた時には遅かった。
ふわっ…と不二の体が浮かび、本棚へと叩きつけられる。
ガハッと不二が血を吐いた。
「しゅ…っ!」
周助!と彩音の悲痛な叫びが響く。
ふわりとその場に降り立った影が、まず1人…と呟いた。
「スキンは『怒り』、ティキは『快楽』、ロードは『夢』…そしてオレらは…『絆』」
僕らは、ジャスデロとデビットは本来ひとつのノアなんだよ。
そう言ったジャスデビが、ニヤリと笑った。
ダッとアレンが地を蹴る。
左手を振り下ろすが、ジャスデビの目の前で弾かれた。
「よくも…よくも不二を…!」
「フフッ…あいつはちょこまかと目障りだったからね…先に叩いてやったのさ」
お前はどうしてやろうか!とジャスデビがアレンの胸へ手を当てる。
瞬間、ペンタクルに張り付けにされ、そこへエネルギーが弾けた。
「うああああ!!!!」
「アレン!!」
ドアにアレンをぶつける気か!?
ラビが慌てて走る。
しかしその時、アレンの背後のペンタクルを、槍と矢が貫いた。
落ちてきたアレンを支えながら、ラビが支える。
「周助…!」
「…参ったね…あと少し気づくのが遅れていたら危なかったよ…」
カウンター技を得意とする不二の反射神経だからこそ、致命傷を負わずに済んだ。
それでもダメージは入っているため、不二の表情は硬い。
扉は既に開いている。
こんなところでグズグズしている時間はないんだ…。
壊される前にも…とラビがちらりと扉を見て考える。
その思考を読んだかのように、ジャスデビが逃さないよと言った。