第17章 第十六話 ツインズ・ルーム
「大丈夫かい?彩音」
「うん…でもこれからどうすれば…」
方法がないわけではない。
彩音が1本の矢を手に出現させた。
それは…?と不二が聞く前に、ラビがアレンへ話しかけた。
「アレン、この騙しメガネはオレが解いてやるさ。本物の鍵を見つけるまで、彩音たちとリナリーたちを守っててくれねェかな」
「え!?でもどうやって鍵を…」
オレの本業さねとラビがニヤリと笑う。
キズや汚れ、剥げ模様まで本物の鍵は一度見た時頭に記憶してある。
ブックマンの能力ゆえだ。
「よし!じゃぁ1分で探して下さい!!」
「いや!それは無理!!!」
無理であろうことは分かるが、正直時間がない。
こちらには相手の攻撃を防ぐ手立てがないのだ、探している間もつかどうか。
ラビ、アレンと彩音が真剣な眼差しで2人を呼んだ。
バッと不二が地を蹴る。
そこへ青ボムが撃ち込まれた。
不二!と焦ったようなアレンの声を聞きながら、不二は槍を構える。
「『麒麟落とし』」
青ボムをかわし、不二がジャスデビの頭上から槍を突き刺した。
ジャスデビが焦ったように避ける。
「なんだ…!?オレらの姿が見えんのか…!?」
的確に狙ってきた不二に、ジャスデビが大きく後退する。
後退した場所に、彩音が雷の矢を打ち込んだ。
ジャスデビは青ボムをぶつける。
「こいつら…!!」
トン、と彩音と不二が背中合わせに立った。
そんな2人を見ながら、アレンが先程の彩音の言葉を思い出す。
『私と周助がジャスデビの相手をする。その間にラビは鍵を探して、見つかったら全員で逃げて』
見えない敵を相手にどうやって!?と慌てるアレンに、彩音は1本の矢を見せた。
―――――この矢で、私と周助は戦える。