第17章 第十六話 ツインズ・ルーム
「リナリー!チャオジー!」
気づいたアレンが駆けつけるより早く、2人の周りに炎が走った。
それを見た彩音が上に向けて弓を構える。
「恵みの雨よ、邪を浄化せん!『ウォーターショット』!」
打たれた矢から雨が降り注ぐ。
ジャスデビが放った赤ボムの炎がすぅ…と消えていった。
ありがとう彩音!というリナリーの言葉に彩音はにっこりと微笑む。
「くっそ、あの女…!」
「後ろががら空きですよ!!」
彩音に気を取られている隙にアレンがジャスデビの背後に回る。
「破滅ノ爪<エッジ・エンド>!!!」
「紫ボム!!!」
アレンの放たれた攻撃と共にジャスデビも銃を撃った。
辺りに紫色の煙が立ち込める。
え!?とアレンが驚きの声を上げた。
目の前にいたはずのジャスデビが人形になっていたからだ。
「これは…?」
「周助、何か目に…!」
目に張り付いている紫の眼鏡のようなもの。
「お前らの目に付いてるものは、騙しメガネっていうもんさ」
もうオレらの姿はお前らには見えないよーだ!
そう言って笑うジャスデロの姿が見当たらない。
ハッとリナリーが叫んだ。
「みんな!下を見て!」
ずらりと大量の鍵が置かれていた。
それは扉を開ける際に使っていた鍵と同じもので…。
「!! アレン!僕たちの持っていた鍵は!?」
先程アレンに返したであろう鍵は持っているかと、不二が慌てたように聞いた。
アレンが鍵を入れていたポケットを探るが、案の定、鍵が無くなっている。
「残念でした。大事な鍵は無くなっちゃったよ」
ヒヒッと笑い声と共に、鍵の落ちる音が聞こえる。
ジャスデビはアレンの持っている鍵を奪って、この大量の鍵の中へと落とした。