第17章 第十六話 ツインズ・ルーム
ハァハァと息を整える。
辺りを見回すとずらりと並んだ本が目に入った。
「ここもまだ、ダウンロードされていない方舟の空間なんですか」
「書庫みてェさ」
「よぉ、エクソシスト」
声と共にヒュッと天井から2人のノアが降りてくる。
振り返った一行に、ノアが口を開いた。
「デビットどぇーす」
「ジャスデロ。2人合わせてジャスデビだよ!ヒヒッ」
ジャ、ジャス…?とチャオジーが言いにくそうにしている横で、またファンキーなやつが来たなとラビが苦笑い。
やっぱりとレロがジャスデビに話しかけた。
「あれ?でも2人はクロスを追ってたんじゃ…」
だまれ!とジャスデビが叫ぶ。
任務に失敗してむしゃくしゃしてるらしいジャスデビ。
アレンが名前を呼ばれて、クロスに溜まったジャスデビの恨み辛みを弟子に払ってもらうと武器を構えられた。
つまり八つ当たり…と彩音が呟くと同時に、アレンが撃たれる。
しかしアレンは特に傷つくこと無く、何か白いものが撃たれているだけだった。
不二がそれを拾って確認する。
「これ、請求書だね」
「な、なんで請求書が…?」
彩音の疑問をよそに、バッとジャスデビが飛んでアレンを挟み撃ちにした。
彩音と不二が咄嗟にイノセンスを発動する。
「師匠のツケは弟子が払えってんだよ!装填、青ボム!!」
「銃の威力が変わった!?」
「銃じゃねェよ。弾が変わったんだ」
「アレン!」
慌てた彩音の声を聞きながら、アレンが道化ノ帯<クラウン・ベルト>を発動した。
ジャスデビが左右に吹き飛んで、本棚へと叩きつけられる。
大丈夫?と駆け寄る彩音に、アレンが銃弾を受けた所に手を添えて頷く。
「気をつけて下さい。あの2人の撃ち出すモノ、ただの弾丸じゃありません」
なにか能力がありますよと言ったアレンの腕が、パキパキと凍りついていた。
本棚に叩きつけられたジャスデビがむくりと起き上がる。
なんだか楽しくなってきたと2人は喜んでいた。