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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第17章 第十六話 ツインズ・ルーム


「酒の次はカード…」

どんよりしながら前を歩くアレンに、リナリーがクロスにゆかりのあるものばかりねと言った。
そうして次に目の前に現れたのは、ルーレット台だ。
相手しないで無視しましょうと言うリナリーに、アレンもそうですねと頷く。
ルーレット台を避けて通ろうとすると、頭上からちょっと待てと声がした。

「勝負しないとドッカーンだぞ」
「お前たちの命がチップだ!」

その言葉に一行はピタリと足を止める。
黒か、赤か!?間違えればドカンだ。
続けて聞こえた声に、アレンがふふふと笑った。

「人生なんて、博打ですよ」

どんな半生を送ってきたんですか!とチャオジーが叫ぶ。
ここは場数を踏んできているアレンに任せる事になった。
頼むぞ、とラビに言われたアレンが、皆赤へ、と声をかける。

赤の床へと全員が移動すると、ルーレットが回り始めた。

くるくると回っているルーレットを、息を呑みながら全員が見守る。
いや、アレンだけは何故か無感情でルーレットを見つめているが。
やがて動きが遅くなっていき、玉は黒で止まる。

その瞬間、アレンがコンッと膝でルーレット台を軽く叩いた。
コロンと赤で玉が止まった。

「イ、イカサマだーーーー!!」
「なにか証拠でも?」
「今足でコンッてした!!!コンッて!!」

あれぇ?そうですかぁ?
ニッコリと笑うアレンに、すごい度胸さ…とラビが呆気にとられる。
卑怯者ー!という叫び声に、姿を現さない奴に言われたくないとアレンがきっぱりと答える。

「いいだろう、それなら姿を見せてやる。廊下をまっすぐに進んだ先にオレらがいる」
「来れたらな!」

ドン…と微かに聞こえた音に、不二が後ろを振り返った。
彩音がどうしたのと聞くと、不二が何か崩れるような音がしたと言った。
瞬間、ピシッと足元の床に亀裂が走る。

「まずい!走って!!」

不二の言葉に全員が走り出した。
しばらくして、廊下の終わりが見える。
少し高い位置に出た出口に、アレンがチャオジーを支え、他は各々降り立った。
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