第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
スキンにはもう意識がない。
ただノアの怒りに突き動かされているだけ。
ハッと神田が目を見張った。
「(あいつ…!デカいのを撃とうとしてやがる…!!)」
後ろには出口とユキサもいる。
壊れかけの六幻を見ながら、耐えられるか?と神田は考えた。
「六幻…!二幻刀!!」
すらりと左手に刀が現れる。
「三幻式…!!!俺の命を吸い高まれ…!六幻!!」
「許さない…!エクソシストォォォ!!!!」
今まで以上の大きな雷撃が神田を襲う。
その瞬間、ふわりと羽が舞った。
「生命を守りし光の盾…『シールド』!!!」
「ユキサっ…!?」
ユキサが神田の頭上でシールドを張り、出口を庇うようにしてスキンの攻撃を受け止める。
神田も六幻を握りしめて雷撃を受け止めた。
辺りの岩が砕けていく。
かつてない威力の雷撃に、ユキサも神田も唇を噛みしめる。
「ぐっ…耐えろ…!六幻…!!!」
「ッ…『フルキャパシティ・ブースト』!!!」
神田とユキサに力が湧き上がった。
「ライーーーーーー!!!!」
「うおおおおおおおお!!!」
「はああああああ!!!」
そうして3人の力がぶつかり合い…。
パリン、と耐え切れなかった六幻が、砕け散った。
ドン!と辺りに爆発音が鳴り響いた。
煙が晴れると、スキンがふらふらと歩いている姿が見える。
神田は尖った岩に倒れ伏していた。
六幻が砕けた神田を咄嗟に庇ったのか、近くにはユキサもいる。
「やった…壊した…奴を」
ガハハハハ!と笑い出したスキンの足元で、フッ…と光が走った。
なんだ!?と目を見張ったスキンの耳に、微かな声が聞こえる。