第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
ガキィンとノアが腕で受け止める。
硬い…!!
ギリ、と唇を噛んだ時、ノアの背後から神田が斬りかかった。
ノアが一瞬神田に気を取られた隙に、ユキサは飛んで、勢いをつけて大鎌を振り下ろす。
神田とユキサの斬撃をまともに食らったはずだが。
ノアはいくつかの尖った皮膚が落ちた程度のダメージだった。
武器を構え直す神田とユキサの手に、びりっと雷が走る。
「…神田」
「…………」
確実のノアの能力だろう。
その様子を見て、ノアがにやりと笑った。
「ここは…?」
「新しい空間?」
アレンたちが扉をくぐると、そこは天井の高い広々とした廊下が続いていた。
奥が見えないほど薄暗く長い廊下。
次の扉はどこかとレロに聞くが、もちろんレロは知らないわけでそれを探すのがお前たちの仕事だと反論している。
ふと、アレンが今入ってきた扉の方を見ていた。
「アレン、神田とユキサが心配?」
「え!?あ…か、神田はどうでもいいですけどユキサが…」
返答に一瞬キョトンとした彩音だったが、くすりと笑う。
アレンは素直じゃないけれど、きっと神田も含めて心配しているのだろう。
「大丈夫だよ、アレン。さっきリナリーがちゃんとついてきてねって2人に約束させたから」
「そうだね。それに…あの2人の強さなら…」
彩音に続いて、不二も言った。
2人を傍で見ていたからこそ分かる。
きっと勝てる、勝ってちゃんと追いついてくる。
アレンが強く頷いて、行こうと足を進めた。
「ぬあああああ!!」
「くっ…!!!」
勢いをつけて拳を振り下ろしてくるノアに、ユキサは大鎌で受け止めた。