第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
バリバリと雷が発せられる様子を見てから、不二が言った。
「行こう」
不二の言葉に再び歩き出す一行。
「神田…ユキサ…」
必ず追いかけて来てください。
そう言って、アレンも扉の先へと足を踏み入れた。
雷を纏いながら、ノアが咆哮する。
肌の色は金色に、そして至るところから皮膚が尖って飛び出していく。
神田は六幻を指でなぞった。
「六幻…発動…!」
「彼の者に力を与えん『レインフォース』。彼の者に再生の光を『リジェネレイト』」
ちら、と神田がユキサを見たが、ユキサは1人分だけだから大丈夫と答えた。
無理はするなと一言だけ声をかけ、2人はノアを見る。
「二幻、発動!」
『二幻刀』と神田が言った。
ユキサは少しだけ後ろへ下がる。
相手がどんな攻撃を仕掛けてくるか分からないため、様子を見るためだ。
「雷、雷、雷、雷…!!!!!」
ぼそぼそと呟いたノア。
雷のエネルギーがノアの口元に凝縮されていく。
瞬間、雷を纏ったエネルギーが口から放たれた。
バッと神田とユキサが左右に飛ぶ。
連続で放たれた後、神田へ向けて大きな一撃が飛んできた。
「『シールド』!!」
神田の前に立ち、ユキサが盾を張る。
ノアの一撃を受け止め、その瞬間に神田が横へ飛んだ。
「『八花螳蜋』!!!」
素早い8連撃の放射状の斬撃が、ノアに向かって放たれる。
ノアも雷を発動させ、2つの力がぶつかり合うが、神田の斬撃が押し勝った。
ノアが攻撃を避ける。
避けた所へ、ユキサが大鎌で飛び込んだ。