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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第14章 第十三話 白銀の記憶


間髪を入れず、マリが糸を張り巡らせる。
しかしそれを綺麗に雪女が避けた。
そして、ユキサの目の前に降り立つ。

「ユキサ…!」

手を伸ばした彩音、咄嗟にイノセンスを発動しようとしたティエドールも吹雪で吹き飛ばされた。
雪女がユキサに手を伸ばすのが見える。

何故…何故ユキサはイノセンスを発動しない…!?

目を見開いて固まっているユキサの頬を、雪女がそっと撫でた。

―――――おかえりなさい。

呟いた雪女の言葉は、吹雪の中に掻き消えた。



全員が目を開けるとそこには雪女の姿もユキサの姿もなかった。
吹雪が一層強くなっている。

「チッ…」
「やっぱり、最初からユキサが狙いで…」

どうしますかとマリがティエドールへ声をかけた。
この吹雪では進むことが出来ない。
一度街に戻るか、けれど戻った所で何か対策があるわけでも…。

そう思った所で、神田の視界に何か光るものが飛んできた。
見覚えのあるそれを掴むと、キューキューと鳴き声が聞こえる。

「あれ!?スノウ!?」

驚いている彩音をよそに、突然吹雪が収まった。
飛ばされてきたスノーベルが神田の手の中から抜け出すと、神田の周りをウロウロと飛び回る。

「…あいつの場所が分かるんだな?」

力強く鳴いたスノーベルの後を、神田が追う。

「あ、まって神田!」
「元帥!」
「あぁ、追いかけよう」

ティエドールたちもスノーベルと神田を追って走り出した。
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