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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第14章 第十三話 白銀の記憶


シオンと別れて、ユキサたちは村への道を辿る。
しかし吹雪は強く、なかなか思ったように足は進まない。
方向感覚も狂いそうな現状に一行は息を切らす。

「…あれは使えないのか?」

いつかの、吹雪や熱風が吹き荒れる大地で使ってたユキサの魔法を思い出し、神田がそう問いかけるが、ユキサは首を振った。

あの時は原因がイノセンスだったから出来たのだ。
今回はイノセンスの反応がなく、AKUMAだということから多分無理だと答えた。

「うぅー…寒い…」
「大丈夫かい彩音。転ばないように気をつけて」

後ろを歩く彩音と不二を見ながら、ユキサが首へと手を当てる。
イノセンスを発動しようとした事にいち早く気づき、ティエドールがユキサを制した。

「AKUMAの仕業なら、フォースフィールドでなんとかなるかもしれません」
「駄目だよ。それにその結界魔法はユキサちゃんは入れないって言ってたよね?全く…本当にユキサちゃんは後先考えずにすぐなんでも使おうとするから困るね」

あんまり酷いようなら、口を開けないようにしようか?
顔は笑っているけど笑っていないティエドールの言葉にユキサは素直に謝った。



だいぶ距離を歩いた所で、森が見えてくる。
生い茂る木々の隙間から、これまで以上に吹雪が吹きつける。

「この森を抜けないといけないんですが…」

どうしますか、とティエドールに声をかければ、少し考える仕草をした。
なんならイノセンスを使ってここら辺一体を薙ぎ払おうか、とティエドールが本気で考えた時、森の中から歩いてくる影が見える。

神田と不二が素早く前へ出た。

そこへ現れたのは…ユキサと似た女…。

「雪女か!」

六幻を抜いて、雪女へと振り下ろす。
それをすらりとかわした雪女へ不二が追撃しようとするが、雪女の起こした吹雪に神田諸共吹き飛ばされた。
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