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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第14章 第十三話 白銀の記憶


彩音の問いに神田が答える。
ナギサは教団内ではほとんどユキサと会っていない。
ファインダーである限り、色んな地へと足を運んで情報収集しないといけないからだ。

ユキサは会った時に比べたらふっくらしてきて、肌艶もとても良い。
元々色白でいるため、最近教団内の男たちの視線を集めているくらいだ。

半年ぶりに会って、ナギサはユキサの成長ぶりに感激している。

「これもジェリーさんのお食事のおかげですね!栄養あるものたくさん食べたからこんなに…」
「ナギサさん、そろそろ離れて下さい…」

照れてるのかユキサがそう言うと、すみませんと言ってナギサが慌てて離れた。
そうしてティエドールに真剣な眼差しで向き直る。

「江戸へ急いでいる所申し訳ないのですが、この地の異常気象の原因を、探っていただきたいのです」
「そのつもりだよ。詳しいことを教えてくれるかな」

では立ち話もなんですから、とナギサは酒場へと向かった。



「この異常気象は、数日前から起こってます」

異常気象が強いのはユキサの故郷の村跡の方角。
その言葉にユキサがぴくりと反応した。

「それから真っ白な女性を見かけた、という情報も入っています」
「真っ白?」

雪女、と呼ばれているその外見は、ユキサに似ているという。
そういえばチクチクと視線を感じていたが、そのせいかとユキサはぼんやり思っていた。
酒場の中でもその視線を感じている。

「この異常気象はその雪女が起こしているものだと私たちは思っています」
「ふむ、なるほどねぇ…」
「ねぇユキサ、マリ。イノセンスとAKUMAの反応はあるの?」

彩音の問いにユキサは首を振るが、マリは頷いた。

「ここから南の方角にいくつか反応がある」
「…決まりだね」

今回のはAKUMAの仕業だろうと不二が納得する。
しかしどうにも腑に落ちないユキサを見て、ナギサが代弁するように言った。

「マリ様が仰っしゃられるのであればAKUMAなのでしょうが…、ただ、どうにも変なのです」
「変?」
「街の人は1人たりとも襲われた形跡がないんです」
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