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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第14章 第十三話 白銀の記憶


それから2日後、船は江戸より北の大地、蝦夷地へと到着した。
降り立った船着き場で、船員たちに礼を言う。

「それでさ…」

肩を震わせながら、彩音が叫んだ。

「なんで雪が降ってるのーーーー!?」
「今は夏だよね」

船酔いがまだ残る不二が呟いた。
暑いのが苦手なユキサはどちらかというと嬉しそうにはしていたが。
だがこの異常気象はもしかして、とティエドールを見る。

「ふむ…イノセンスかな?」
「ユキサ、何か感じるか?」
「何も」

ユキサの返答に俺もだ、とマリは言う。
イノセンスもAKUMAも今のところ反応はないようだった。

とりあえず江戸へ向かう前に、ユキサが住んでいた村の近くの町へ向かう事にする。

「ナギサちゃんがいるはずだからね、この異常気象について話を聞いてみよう」
「ナギサさん…!」

かつて、神田と共にユキサを教団へ連れて行ってくれたファインダーだ。
久しぶりに会えるということで、少しだけユキサは嬉しそうにしていた。

「そういえば、ユキサの故郷なんだっけ?」
「うん」

AKUMAによって滅ぼされてしまった事も、彩音と不二も聞いている。
ユキサ自身は生まれは分からないが、それでも日本で育ったというユキサに、2人は多少嬉しくも感じていた。



例の町の駅へと到着する。
予め教団に連絡し、ナギサに連絡が行っていたため、駅にはナギサが立っていた。
ティエドールとも顔見知りのようで、手を振りながらこちらに向かって走ってくる。

「元帥!それに神田様も…ようこそここまで無事にいらっしゃいました…!」

そう言ってナギサがユキサの方を向く。
ユキサがにっこり笑ってお久しぶりですと声をかけると、ナギサが嬉しそうにユキサに抱きついた。

「あぁユキサ様!こんなに大きくなって…」
「…ナギサさんはユキサの小さい頃にでも会ったの?」
「…半年でだいぶ成長しているからな、あいつ」
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