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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第13章 第十二話 東へ


不二と彩音が2階から降りてくる。
朝からどんよりと疲労を滲ませる彩音を見て、ティエドールはおや?と首を傾げた。
音で察したのか、マリも彩音の方を見る。

「おはよう彩音ちゃん、不二くん」
「おはようございます…」

ふらふらと席に着く彩音。
不二も挨拶を交わし、彩音の隣へと座った。

「よく休めたかい?」
「はい!!!」

何気なく聞いたティエドールの言葉に、彩音は大袈裟に反応を返す。
不二は隣でクスクスと笑っていた。
ついこの間までは照れてたくせに…!人の気も知らないで…!と彩音が心の中で悪態をつく。

「これから長い戦いになる」

江戸につけばこんな呑気な会話をしながら朝食など取っている暇もないだろう。
きっと不二とゆっくりする事も…。

ハッと昨夜を思い出して彩音は首を振った。
ふとティエドールが2階を見た。

「しかし、神田が君たちより遅いのは珍しいね」

ぴくり、と彩音が反応を示す。
ティエドールがマリに確認してくるように声をかけたが、彩音が慌てて止めに入った。

「い、今はその!まだ2人ともゆっくり休んでいるというかなんというか」

もし起こすなら私が行ってきますよ!と彩音が言う。
彩音の勢いに一瞬ぽかんとしていたティエドールだが、その必要はないみたいだと答えた。
その言葉に彩音が振り返れば、階段からユキサと神田が降りてくるのが見えた。

「おはよう、ユキサちゃん、神田」

おはようございます、と言う2人に彩音が近付く。
そうしてユキサの手を取り、彩音がその場を離れた。
ユキサがえ?と少し困惑しながら彩音に引きづられていく。

ティエドールたちから離れた所で、彩音がこっそりとユキサに耳打ちをした。

「ちょっとユキサ、いつから神田とそんな関係になったの!?」
「え?そんな関係って…」

言ってから、あぁとユキサが納得した。
つまり一緒に眠っていたところを見たのか、と。
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