• テキストサイズ

【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第13章 第十二話 東へ


「さて、ここから船着き場にいかないとだねぇ」

ただ…とティエドールが少し考えるような仕草をしながら続けた。
現在は夜。
船旅は数日かかるにしても、夜に出航はしないだろうと予想する。

「私とマリで船長と話をつけてこよう。4人は先に宿で休んでいなさい」
「2人だけで大丈夫ですか?」

彩音の言葉に大丈夫だとティエドールは返す。
船着き場へはここからは近い。

あとから宿の場所を通信で教えてとティエドールとマリはその場を去った。

「じゃぁ宿を探そうか」

そうだね、と彩音が言って4人が歩き出す。
船着き場があるのなら、宿も近くにありそうだ。

「日本に近くなってきたけど、AKUMAはあんまり出てないね」
「ここまで来たら、AKUMAたちも江戸へ向かっているのかもね」

歩きながらそんな会話をする彩音と不二。
神田はいつもの事だが、ユキサも静かなので2人が振り返る。

と、その時だった。

ユキサの体が光だし、その場に蹲る。
彩音も苦しそうに胸を押さえた。

「彩音!?ユキサ!?」

神田が光を抑えるようにユキサにコートを被せ、不二も彩音の体を支える。
おい!と言う神田の声を聞きながら、ユキサが瞑っていた目を開けた。

「ア、レンが…」
「…モヤシ?」
「だめ…アレンを…助け、て…!」

伸ばされるユキサの手を神田は握る。
その瞬間、フッと力が抜けたようにユキサは気を失った。

彩音が息を整えながら不二の服をギュッと掴む。
大丈夫かと問う不二に、彩音が小さく頷いた。

「まさかまた…」
「うん…。でも前と少し違う感じがした…」

なんて説明をしたらいいのか分からないけど、と彩音は言う。
/ 519ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp