第13章 第十二話 東へ
「まだかなりの数がいるね…!」
「フリーズショット!!」
彩音の撃った矢がAKUMAへ直撃すると、その体は氷に包まれる。
そこへマリが糸を絡め、AKUMAを仕留めていった。
不二は襲ってくるAKUMAの攻撃を華麗にかわしながら倒していく。
「元帥」
戦いの最中、ユキサがティエドールの元へやってきた。
ちょっと戦場を離れますと言うユキサに神田を連れて行けとティエドールは言ったが、すぐ戻るのでと地下へと潜ってしまった。
ユキサが降り立った場所は、AKUMAとイノセンスの気配がある部屋。
AKUMAの襲来に研究員たちがバタバタと走り回っていたが、構わず奥へ歩みを進める。
途中研究員に止められるが、エクソシストだと分かると渋々だが先へ進ませてくれた。
奥の部屋に入って、ユキサが眉間に皺を寄せる。
「エクソシスト様!?どうしてこちらに…」
研究員たちの言葉は続かなかった。
ユキサが研究員たちを気絶させたからだ。
そうしてソレに振り返る。
「忌々しい人体実験の産物、ね。今終わらせてあげる」
ハッとマリが地下へ振り返る。
地下にあったAKUMAの気配が消えたからだ。
その反応に、近くにいた神田が気づく。
「どうした、マリ」
「地下にいたAKUMAの気配が消えた」
神田がチラリと地下の方を見る。
その瞬間、ユキサがイノセンスを手に上がってきた。
「あいつ…」
イノセンスをティエドールへと手渡し、少し言葉をかわした後戦闘へと戻る。
小さく舌打ちをし、神田も戦闘へと戻った。
それから少しして、辺りは静かになった。