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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第13章 第十二話 東へ


お気をつけて、と言った研究員に背を向けて、一行は足を進めた。

中は迷路のように入り組んでいた。
かといって洞窟のような感じではなく、その中も元々は研究施設だったのだろう。
様々な器具が置かれていた。

しかしそれが、どんどん不穏な雰囲気を漂わせてくる。

「ね、ねぇ…これって…」

何かが入りそうなカプセル。
そこから繋がれるコード。

彩音が青ざめながら言うと、神田も嫌悪感を露わにした。
そんな神田の様子をユキサが黙って見つめる。

神田の六幻に何度か触れていた時、神田の過去を少しだけ見た事があるのだ。

ユキサは視線を前に向けて、イノセンスの方へと向かう。

更に奥へと向かうと、大きな扉の前へ出た。

「この奥」
「扉は端末で開けられるみたいだね」
「…なんか、嫌な感じがする」

彩音が扉を開けようとする不二に声をかけた。
だがイノセンスは回収しておかないといけない。

不二が、端末を操作して扉を開けた。
瞬間、漂う異様な空気。
そして道は途切れており、底の見えない暗闇が広がっていた。

「ふむ…この下かいユキサちゃん?」
「はい。私が行って見てきます」
「俺も行く」
「マリ、AKUMAの気配は?」

同行すると神田が言ったが、すかさずユキサがマリへ確認を取る。
先程地下へ降りてくる途中に感じたAKUMAしか、今のところは反応がないとマリは答えた。
ユキサが神田へ振り向いた。

「AKUMAはいないなら私1人で大丈夫。イノセンスを取ってくるだけだから。どこまで深いか分からないし」
「…」

少し納得のいかなそうな神田の表情を見ながら、ユキサは羽を広げた。
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