第11章 第十話 奇妙な館
「でモ、ちょっとやりすぎたようだナ…」
「!?」
地鳴りが響く。
次の瞬間、足元が崩れ落ちた。
「くっ…!」
「きゃぁ!!」
「彩音!」
神田、不二はそれぞれの武器で下まで落ちるのを耐えた。
マリは部屋の残骸を掴み、なんとかアルフォンスを救う。
ティエドールはどこかにリュックごと引っかかっており、彩音は空を飛んだユキサに掴まれていた。
「建物の…動力炉か」
神田が言う。
ガラガラと機械音がする下には、歯車が蠢いていた。
落ちたら一溜まりもないだろう。
「そのまま歯車に潰されるがいイ!」
AKUMAが笑いながら飛んでるユキサへと視線を向けた。
彩音をとりあえず地上のまだ地面が残っている所へ降ろしたが、AKUMAがいる中で他の者を救出している余裕はない。
ああ!と声がする方を見ると、アルフォンスのスケッチブックが歯車に飲み込まれていった。
ティエドールがふぅ、とゆっくり息をついた。
「まったく…床を抜けるような壊し方をするなんて、まだまだだね」
神田がちらりとティエドールを見る。
「クラウス。命をかけて見に来たヤーンの屋敷だ。…目に焼き付けておきなさい」
―――――楽園ノ彫刻<メーカー・オブ・エデン>!発動!!
ティエドールの言葉と共に、白い光が地面から溢れ出す。
瞬間、白い腕が出現し、ぐるりと壁を壊した。
「く…崩れる…!!!」
白い光に全員が目を瞑る。
程なくして、ヤーンの屋敷は跡形もなく崩れた。
「ゴホッ…。…神田よりも壊してるじゃないか…」