第11章 第十話 奇妙な館
「ええええ!?」
外で待機していたアルフォンスが屋敷を見た。
未だ爆発音を響かせながら、黒い煙がもくもくと上がっている。
「そ、そんな…!」
アルフォンスはそのまま光の膜を出て、屋敷へと走った。
「けほっけほっ…ユキサ、やりすぎ…」
「ごめん…ちょっとビックリしちゃって…」
煙が晴れてくると、また複数のAKUMAが出現した。
全員がイノセンスを発動し、AKUMAと対峙する。
しばらくすると奥の部屋へと逃げ込もうとするAKUMAを追って、神田が走った。
あとを追いかけてその部屋へ入るとちょうどAKUMAに止めを刺したところだった。
「ようこソ、エクソシスト!」
響く不気味な声。
ようやくご対面だね、とティエドールが言った。
神田たちは武器を構える。
「余裕じゃないカ、ティエドール元帥」
「ほぉ?私を知っているのかね?」
「もちろン!アンタが持っているイノセンスを貰いに来たんだからナ!」
それからそこのアンタ。
指を差されたユキサがえ?と目を見張る。
「ノア様からアンタを連れてくるように言われてるんダ。一緒に来てもらうヨ!」
「なに…?」
どうしてユキサが…と彩音が不安そうな表情をしたが、ユキサは黙り込んだ。
なんとなく見当がつく、例の不思議な現象を見られてるのだから。
「…誠に申し訳ないが、そういう訳にはいかないんだ…ユキサちゃんも大事な仲間だしねぇ」
うむ、とマリが大きく頷いた。
「そうカ、それは残念ダ…」
「ならば力ずくで奪うしかないナ」
「その前ニ、舞台を整えよウ」
部屋が大きな音共に動き始めた。