第11章 第十話 奇妙な館
「障害物があってうちにくい…」
ユキサの盾に隠れながら狙い撃とうとしていたが、本棚等で彩音は戦いにくそうだった。
ふと、ユキサが彩音の方を向く。
こくりと彩音が頷いた。
「『ジョイントペナルティー』!」
盾を発動している手とは反対の手を翳して、ユキサが叫ぶ。
瞬間、AKUMAたちの動きが止まった。
前線で戦っていた3人が驚いてAKUMAを見ると、AKUMAたちは光の鎖に繋がれていた。
「『ターゲットロック』!」
「お願い、追撃の矢!!!」
彩音が力を込めて矢を打つ。
1体のAKUMAへ矢が打ち込まれた。
その瞬間、鎖で繋がれているAKUMAたちは、連動するように爆発していった。
「彩音、ユキサ…今の技は」
「少し前から2人で戦う戦法を考えてて…」
不二の問いに、彩音が答える。
ただし、今の戦法は狭いところでしかほぼ使えない。
ユキサが使う光の鎖は効果範囲が狭く、更に使っている間ユキサが動けないのだ。
広い場所での戦闘には向かない。
「終わったかい?」
ひょっこりと本棚の影から出てきたティエドールは、早速歩き始める。
ドアノブに手をかけた時、神田がティエドールの肩を掴んだ。
ティエドールの代わりに扉を開けようとした神田だったが、押しても引いても開かない。
「頭が硬いねぇ、キミは」
「神田、私がやるよ」
ユキサがドアノブを持ち、扉を横にスライドさせた。
「押しても引いても駄目なら横に…」
「ユキサ!前前!」
え?と振り返った目の前には大量のAKUMA。
「『フレアトルネード』!!!!!!」
―――――ドーーーーーーーン!