第11章 第十話 奇妙な館
さすがのマリも呆れて力ない声で元帥を呼んでいた。
その後も、ティエドールは楽しそうに仕掛けを動かしていく。
「ハッハッハッハ!」
「ぬぅっ…!」
「マリ、大丈夫かい!?」
時には壁が倒れてきて、マリと不二が支え…。
「キャァ!」
「彩音!大丈夫?」
「って、なにこれ…おもちゃの矢?」
時には壁から矢が飛んできて彩音の額にくっつき…。
「…あれ?神田?」
「お前、どこから出てきてるんだ…」
扉を開けて入ったら同じ場所へ帰ってきたり…。
「一体どこまで続くん…だっ!?」
「神田、大丈夫!?」
神田が寄りかかった壁が回転したり…。
「いやぁ~奇妙奇天烈!予想以上に面白いね、こりゃ」
楽しそうにするティエドールだったが、他の5人は疲労からどんよりと肩を落としていた。
少し歩くと、一行は本がたくさん置いてある図書室のような場所にたどり着く。
ティエドールはいつもの調子で本棚の本へ手を伸ばした。
「元帥!不用意に物に触るのは…」
さすがの神田も疲労のせいか、はたまたストレスのせいか声をかけたが。
一歩遅かった。
ゴゴゴゴゴ…と大きな音共に図書室の天井が開く。
そこには大量のAKUMAがいた。
「ショートカット、『シールド』!!!」
一斉に撃ってきたAKUMAの弾丸をユキサが盾で防御する。
イノセンスを発動した神田、不二、マリが飛び出した。