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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第10章 第九話 沈黙の棺


「イノセンス発動!」

陰から空へ上がってくるAKUMAに向かって、デイシャがベルを放った。
倒しきれていないAKUMAの攻撃を、ユキサが盾で防ぐ。

「オレら、チームワークバッチリジャン!?」
「そうかもね」

くすくすと笑うユキサにデイシャが少し照れたような表情をした。

2人は建物から降りる。
壁を派手に破壊しながら外へ出るデイシャを追うユキサ。
ふと、デイシャが足を止めた。

それを目で追ったユキサが、男を見て首を傾げる。

エクソシスト…。
そこに立つ男が呟いた言葉は、デイシャとユキサの耳には届かなかった。

「人間ジャン?お前、AKUMAじゃないのか」
「……一応」

一応?
デイシャとユキサが警戒する。

「…なんで人間がこんなところに平気でいるのかしら?」

男の様子がおかしい。
手を握りしめ、何かに耐えるように体を震わせていた。
デイシャがユキサに視線を向けた所で、体の震えが止まった男が口を開いた。

「…あんたたち、名前は?」
「デイシャ。デイシャ・バリー」
「…。ユキサ」

「違うな。…あんたたちは関係ない」

カードを見ながら、男がそう言うと先を急ぐからとこの場を去ろうとする。
それを見たデイシャがベルを蹴った。

―――――まずい。

ユキサは直感していた。
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