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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第10章 第九話 沈黙の棺


「デイシャ!」

手に持っていた大鎌をしまい、全てのエネルギーを羽に使ってデイシャの元へ。
危機一髪のところで、デイシャを抱き込み、羽で包み込む。
弾丸をその身で受け止めていると、神田がAKUMAに斬り込んだ。

無事か!?と声をかけてくる神田に、ユキサがウイルスを浄化しながら大丈夫だと答える。
呆然としてたデイシャがハッと我に返った。

「わ、悪かったジャン。怪我は…。ってお前も神田と…」
「?…怪我は大丈夫よ」

傷が治っていく様子に少し複雑な表情をするデイシャにユキサが首を傾げて言った。

程なくして、AKUMAがいなくなり辺りは静まり返った。

「神田。このAKUMAの数」
「あぁ。急いだ方が良さそうだな」

そのまま海沿いを走る5人。
バルセロナにはティエドールがいるはずだ。

その途中、ファインダーの服が落ちているのを見かけ、立ち止まる。

「これは…」

服だけ落ちているということは…AKUMAにやられたのだ。
先を急ごうとしたデイシャの顔を、突然神田が地面に押し付けた。

「何するジャ…」
「屈め」

その言葉にユキサたちも身を屈める。
崖下を覗くと草陰がゆらゆらと動いていた。

AKUMA?と顔を見合わせながら、5人は警戒しながら降りていった。



降りた先にいたのは、体の大きな男。
誰?と顔を見合わせるユキサたちをよそに、神田が声をかけた。

「マリ…か」
「なんだよ、なかなか現れないと思ったらこんなところにいたジャン?」
「神田にデイシャか…それに」

聞き慣れない音だ、とマリがユキサたちの方を向いた。
この人、目が…とユキサが思っていると、彩音が口を開いた。

「私は小鳥遊彩音。神田と一緒にティエドール元帥を探しに…」
「僕は不二周助」
「ユキサです」

ノイズ・マリだ、と簡単に自己紹介を済ませた後、何やら集中し始めたマリ。
ごちゃごちゃと喋り続けるデイシャに黙れと言った後、沈黙が流れる。

「…どうだ、マリ」
「100、…200…敵の数が多すぎて聞き取れない」

まさかAKUMAの数?と聞いた彩音に、マリが頷く。
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