第9章 第八話 魔女の棲む村
「お父さん、大丈夫?」
「あ、あぁ…すまないね、足がちょっと痛くて…」
先に休ませてもらうと部屋を出ていく父親。
「…この村では、魔女とか古い言い伝えを信じる人が多いんです。先程の小屋も、魔女の小屋と呼ばれていて…村の人達は忌み嫌っています」
「…お前は恐れてはいないのか」
神田が聞くと、本物なら怖いですけどとソフィアは言う。
「本物ではない、と?」
「…実は、一ヶ月ほど前まであの小屋にはおばあさんが住んでたんです。村に流れ着いただけなのに、村の人達は魔女と呼んで…」
ソフィアが言いながら俯いた。
今は住んでいないところを見ると、そのおばあさんはどうなったのか…。
「…そろそろ遅くなってきたし、休もうか」
そう言って立ち上がったのは不二だった。
ご案内します、というソフィアに4人は着いていった。
「こちらと、こちらの部屋をお使い下さい」
私は隣りにいますので、何かあったらお声掛け下さいとソフィアが部屋に戻る。
2部屋準備されたということは、男と女で分けてくれたのか。
「それじゃぁおやすみ!周助、神田」
「彩音とユキサもおやすみ」
「おやすみ」
神田は無言で部屋に入っていくが、3人は挨拶を交わしてそれぞれの部屋へ。
「…神田、怒ってるのかな?」
入って早々、不二が神田に問いかけた。
ちら、と視線を向けたかと思うと、六幻を枕元に置き、神田がベッドへ横になる。
「…俺たちはアルヘイムに行く。この村の事はあとから来るエクソシストに任せておけばいい」
「分かってる。けど、AKUMAを見たからには放っておくと危険だ」
村の周りにいたAKUMA。
いつ村に来るとも限らない。
それにあの噂も怪しい。