第8章 第七話 終末への幕明け
「え!?欠航!?」
天候が荒れてきたため、回復するまでは船が出ない。
船着き場で聞いた言葉に、アレンたちはどうしたものか、と考えた。
外は大嵐が吹き荒れている。
「うーん…この様子だとしばらく出航は無理そうだね」
とりあえず休める場所に行こうと、3人は近くのレストランへ向かった。
「ふあ~!!美味しかったー!」
「クスクス、アレンは相変わらず沢山食べるんだね」
「だっていっぱいお腹空くんですもん~」
彩音が積まれた皿を見ながら笑っていると、ふと不二のゴーレムへ通信が入る。
立ち上がって電話の元へ行く不二。
「なんの連絡かな?」
「なんでしょうね~」
お腹がいっぱいになったアレンは十分満足しているようで、ふわふわしていた。
その様子を見て再び小さく笑った彩音だったが、不二の声でがたんと椅子から立ち上がる。
「イエーガー元帥が…ノアに…!?」
「イエーガー元帥って…確かアレンたちが会いに行ったんじゃ…」
神田の通信から漏れてくる言葉を聞きながら、ユキサが青ざめる。
まさか…彩音たちも…!?
宿のフロントで座っていたユキサが慌てて立ち上がった、その時だった。
「あっ…ぐっ…!!」
どさり、と胸を押さえてその場に倒れた。
通信していた神田がその音に気づいて駆け寄ってくる。
「どうした!?」
「あ…だ、め…」
抱き起こしたユキサがうわ言のように呟くと同時にキンと耳鳴りのような音が聞こえ、神田は顔を顰めた。
瞬間、ユキサのイノセンスが光り出す。
「どうしましたか!?」
「チッ…」