第7章 二つに分かれた運命
11年後
シオンは立派な海兵になっていた。
しかし彼女が海兵になった頃にはドフラミンゴは王下七武海という座に君臨しており、彼に対して攻撃は出来なかった。
そんな中、もう1つ彼女に大きなニュースが舞い降りる。
新しい手配書が配られた。
その手配書にはトラファルガー・ローと書かれていた。
「……!」
また、シオンは息を飲む。
(なんでローが!?
まさか、生きていたなんて)
怒りなのか驚きなのか、手が無意識に震えた。
そして、頂上決戦。
海兵としてその惨劇の中、シオンは戦った。
ドフラミンゴには全く近づけず、自分が白ひげ海賊団に殺されないようにするのが精一杯だった。
白ひげとポートガス・D・エースが死に絶え、麦わらのルフィが致命傷を負い海賊たちは撤退をしていた。
自分は防戦に徹していたため海賊たちにやられないと感じると疲労と緊張感が解け、その場にへたりこんだ。
誰も殺してはいないが、家族を想う白ひげ海賊団を殺すことは出来なかった。
自分も信頼し、慕い愛していた父親であり兄であった者を失った悲しみ。
自分が奪う側になりたくないと心で葛藤していた。
麦わら帽子の少年の悲痛な叫びが耳を劈く。
全てが終わったと思っていた。
ローが現れるまでは。