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記憶が亡くなる前に

第7章 二つに分かれた運命


数分も経たないうちにシオンはハッとぼんやりした表情からいつものシオンの表情に戻った。
途端に何があったのかを思い出したのかシオンは力が抜け、その場にへたりこんだ。
ぽたぽたと涙が溢れる。

「そんな…コラさんが死んだなんて…。」

「すまない…私が止めきれなかったばかりに…!」

シオンは声をあげず静かに泣いた。
感情が消えたかのように静かに泣いていた。
しばらく、してから力なくうなだれる。
数分経った頃には涙も枯れて無表情になっていた。


「誰が…コラさんを殺したの…」

「シオン?」

「誰がこんな惨い殺し方を…!」

シオンの瞳は怒りと憎悪に充ちていた。
分かっている。こんなことをするのは彼の唯一の肉親であることも。

「許さない…。許さない…。ドフラミンゴ…。
センゴクさん。」

「…なんだね。」

「私を海兵にしてください。
どんな訓練でも耐えます。」

「しかし…」

シオンの目はただならぬ覚悟を宿していた。
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