第3章 3杯目
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「………んー、何時?」
「おはようございます、6時ですよ。
何時に帰られるかわからなかったので
僕が帰る時間にセットしてしまいました」
「あー、大丈夫。ありがとう」
結局私はあれからぐっすり眠っていたみたい。
透くんはサッサと身支度を済ませていた。
夜、透くんにサラサラにしてもらった髪の毛のおかげで
私も早く準備が出来そうだった。
「そんなに急がなくても大丈夫ですよ。
まだ時間はありますし」
「いや、いいよ。
透くんも忙しいだろうから、少し待ってて」
「ありがとうございます」
今日は幸い何もないから
顔を洗って歯磨きをするだけで良かった。
化粧なんてしたら少し時間がかかったかも。
「……化粧はしなくていいんですか?」
「うん、今日は何もないし」
「そうでしたか、もし乃々華さんが
良ければポアロで朝食でもいかがですか?僕の奢りで」
「え、っと……行っても大丈夫?」
「乃々華さんが良ければですが。
嫌ならそのまま家まで送りましょう」
「少しだけ、化粧させて」
「待ってます」
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