第2章 2杯目
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ふと、車の中で親指で撫でられた唇に触れる。
………なんだか、緊張する。
今更初々しさなんて必要ない。
欲しい物は余裕と主導権。
枕で情報を得る時なんてそれがなきゃやってられない。
だからかな。
暫く気持ちいい思いをしていない。
あー、そう言えば今日何の気なしに
ジンくん誘ったけどそういう事なのかな。
欲求不満?
そんな事を思ってたら、熱を帯びる身体。
気を紛らわせる為にタバコを吸う。
早く戻ってきて欲しい。
煙と一緒にため息を吐きながらそう思った。
少ししてから、透くんが戻ってきた。
「良かった、本当に寝てるかと思ってましたよ」
「…………大丈夫」
「どうしました?待ちきれませんでした?」
「………うん」
返事をした瞬間、タバコを取られ火を消された。
ベッドに押し倒され口を塞がれる。
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