第2章 2杯目
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部屋に着いてとりあえずタバコを吸う。
「乃々華さんはタバコを吸われるんですね」
「ごめん、嫌だった?」
「いえ、でもターゲットと接触する時は
臭いが残るかもしれませんから控えた方が
いいかもしれませんね」
「………タバコ吸うの、ジンくんに憧れてかもしれない」
「ほう?」
「なんか…歳上の男性で1番身近だったから。
ベルモットの影響もあるかもしれないけど」
「ジンとは仲が良いんですか?」
「どうだろう」
ふう、と煙を吐きながら答える。
仲は悪くないとは思う。
けど別にそれ以上じゃないし、なる気もない。
「仲良く見えるならそうだと思う」
その後は沈黙。
ひとしきりタバコを吸って、火を消す。
………シャワー、浴びたいな。
「ごめん透くん、先にシャワー浴びるね」
「どうぞ。
ご一緒してもいいなら背中くらい流しますが」
「随分積極的だね。
大丈夫、逃げも隠れもしないから」
「ごゆっくり」
クスリと笑って透くんが答えた。
一つ一つに余裕がある言葉選びだな。
関心しながらも透くんを置いてシャワー室に向かった。
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