第2章 君を想う
Ωは繁殖の為の性とも言われ、3ヶ月に1回の発情期〈ヒート〉があり、その間に放出されるフェロモンはαを強く誘う。それは本能的に、優秀な希少種としての遺伝子を残そうとする為。
そうして惹かれあった、αはΩと、Ωはαと生涯にただ一対の番として関係を結ぶのが最高の幸せとされていた。
番関係になる為には、αがΩの頸を噛む。Ωはそれにより、フェロモンが変化して番のα以外を誘えなくなり、また番のα以外と肉体の関係も持てなくなる。
Ωは繁殖に秀でた性。
番を持つ事で、精神的にも肉体的にもひとりのαに従う事になる。一生を掛けて、番のαの子を成し、遺伝子を遺す。