第2章 お巡りさん【諸伏景光】
櫻side
「と、いうわけで、道路を渡るときは手を挙げて渡るんだよ」
小学校では交通安全教室を毎年やっている。幼いながらに1回やれば後はやらなくてもいいのでは?と疑問を持っていた。
しかし横断歩道を渡るときは手を上げないと止まってくれないこともわかっていた。
いや、本来車は手を上げなくても横断歩道に人がいれば必ず止まらなければならない。
「家に帰りたくない。。」
「どうしたのお嬢ちゃん?」
声を掛けられてはっとした
これはまさか誘拐かと思うほど冷静ではあった。
振り返るとお巡りさんが自転車を押しながらこっちを見ていた。