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氷の華【鬼滅の刃/宇髄天元】

第2章 氷の女の正体は


その日、任務の帰りに立ち寄った村で玲華を見つけた。隊服を着ている彼女は、凛として美しかった。宇髄は少し離れたところから、彼女を見ていた。どこか店に寄れば彼女の好きなものがわかるかもしれない。好きなものの話しでもすれば、彼女も少しは心を開いてくれるかもしれない。
そこまで考えて、宇髄は苦笑した。
(なんで俺はこんな事してんだ?)
しかし今更止めるわけにもいかず、宇髄は距離を取りながら、彼女の後を付いていった。

突然、彼女は、空き地に入っていった。空き地と言っても、昔倉庫にでも使っていたのか、小さな小屋が今にも倒れそうな様子で建っている。彼女はその小屋のそばでしゃがみ込んだ。
「、、、よしよし、いい子ね。」
彼女の声が聞こえてくる。今まで聞いたことがない程、優しい声音だった。どうやら空き地に住んでいる野良猫にでも話しかけている様だ。宇髄は耳を澄ませた。彼女から、今まで聞いた誰よりも優しい音がした。その音は宇髄の脳内まで入り込んでくる様だった。
(あぁ、これが本当の音だ。)
宇髄は不思議な高揚感に包まれていた。彼女の音をもっと聞いていたい。叶うなら、もっと近くで、一番近くで聞きたい。

宇髄が彼女に落ちた瞬間だった。
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