第4章 氷が溶ける時
「玲華。」
宇髄が呼ぶとお茶の方を向いていた玲華の視線が、宇髄に向いた。
「これ、もらってくれねぇか?」
宇髄は玲華に小さな包みを差し出した。玲華は何も言わずに受け取る。
「開けてみてくれ。」
玲華が包みを開けると、中からリボンが出てきた。玲華が宇髄を見る。
「お前に似合いそうだと思って買ったんだ。お前の、、、玲華の瞳と同じ色だ。」
宇髄の言う通り、そのリボンは玲華の瞳の色ととても良く似ていた。玲華の手に、無意識に、力が入る。
「、、、ありがとう、ございます。」
そう言った玲華の顔は、微笑んでいる様に、穏やかなものだった。その音は、確かに、喜びを奏でていた。