第4章 氷が溶ける時
宇髄はその後も時間があれば、蝶屋敷に顔を出した。玲華は相変わらずだが、逃げはしなくなった。
ある時、宇髄はお団子を買って、玲華の元にやって来た。
「団子好きか?お茶でも飲みながら食べようぜ。」
玲華に差し出すと、驚く程素直に受け取った。お茶ももらってきてくれて、2人で裏庭の縁側に座って食べた。
どうやら玲華はちょっとしたものでも用事があれば一緒に居てくれるようだ。
それに気づいた宇髄は、玲華に会いに行く時はなるべく甘味を買って行くようにした。2人で裏庭の縁側に座って食べる甘味は美味しかった。玲華はほとんど話さないが、食べてる間は隣りに居るし、宇髄が話しをすればきちんと聞いてくれる。
何回目だったか。宇髄の話しを聞きながら、玲華からは楽しそうな音がかすかにしていた。それに気づいた宇髄は、心の中でガッツポーズをした。
甘味がない時は、一緒に鍛錬もした。玲華が使うという氷の呼吸を見せて欲しいと頼むと、素直に見せてくれた。
「氷の呼吸、壱の型、吹雪」
煉獄が言ってた通り、花の呼吸に似た、繊細な技だった。どうやら花の呼吸から自分で作ったものらしい。陰で努力しているのがわかり、宇髄は感心した。