第16章 二匹の獣
「お仕置だ。俺様達がたっぷり愛し合う様をそこで見てろ」
ヴィークの頭にアルドの声が染み渡る。
ゾクゾクとした、寒気にも似た快感が背筋に走り、興奮が脳内を満たしていく。
被虐の齎す麻薬のような快楽に陶酔しながら、
「はい……仰せのままに」
ヴィークは二人に向かって深深と頭を垂れた。
「良い覚悟だ」
アルドは薄く笑い、に視線を戻す。
は顔を火照らせたまま、胸を小さく弾ませている。
軽く噛み締めた痕のある唇から扇情的な息を零す。
アルドは、静かに呼吸を乱すの姿に情欲を掻き立てられる。
「ちゃん」
「あ……」
の上半身に手を回し、ゆっくりと肩を撫で、胸を伝い、濡れそぼった秘部に指先をやる。
「ン……っ、う」
の身体がアルドの手つきに合わせて艶めかしく動く。
その様を黙って見つめていたアルドがおもむろに口を開く。
「流石の俺様ももう限界だ。待たされすぎておかしくなっちまう」
笑い混じりながらも余裕なさげに呟き、ゆっくりと指を引き抜いた。
根元から爪の先へと舌を這わせ、指に絡みついた蜜をゆっくりと舐め上げ、
「おあつらえ向きに、これ以上解す必要は無さそうだ」
両の瞳が弧を描いた。
「アルドさ……」
顔を赤くしたが批難めいた言葉をぶつけるよりも早く、アルドが腕を奪う。