第16章 二匹の獣
を片手に抱いたままヴィークの下半身に手を伸ばし、
「あッ……」
「触られもしてねえのにイくとは……ほんとに信じられねえぜ、ヴィーク」
手にぎゅっと握り込んで嗤う。
直ぐに手を離し、ひらひらと振ってヴィークの顔を覗き込む。
「ちゃんがイくのを見てイったのか?」
「……は、い……様にご奉仕させて頂き……自分でも、訳が分からない程、気持ち良くなって……様の絶頂を見届けた所で……達していたようです……」
ヴィークは荒い息を何度も吐き出し、途切れ途切れに答える。
「そうか、それは見上げたもんだな」
アルドが楽しげに呟き、ヴィークの黒毛をくしゃりと撫でる。
そのまま額を手で掴み上げた。
「だが俺様はまだイっていいとは言ってないだろ? 俺様が許可を出したのはちゃんだけだ」
ヴィークの目が泳ぐ。
アルドは低い声で言い、
「ヴィーク、お前はちゃんに自分を使って愉しんでもらうんだろ? お前が気持ち良くなってどうするんだ」
牙を見せて笑った。
「……お仕置だ。ここからが本番だぞ」
ヴィークの頭にアルドの声が染み渡る。
ゾクゾクとした、寒気にも似た快感が背筋に走り、興奮が脳内を満たしていく。
被虐の齎す麻薬のような快楽に陶酔しながら、
「はい……如何様な罰でも、私にお与えください……」
ヴィークは二人に向かって深深と頭を垂れた。
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