第16章 二匹の獣
「……うッ! ン……ッぅ……う」
腰から生えた美しい尻尾は垂直にピンと伸びて、興奮に膨らんだまま悶えている。
はぬちゅぬちゅっとヴィークの顔全体に蜜を塗りつけるように腰を動かし、たっぷりとした余韻を味わって、漸く短く息をついた。
うっとりと甘い息を溢れさせては、気持ち良さそうに目を細める。
「綺麗だったぜ、ちゃん」
アルドの腕がを優しく包み込み、額に口付けを落とす。
はアルドをぼーっとした表情で見上げ、緩々と脱力した。
「ン……」
素直に熱くなった身体を凭れてくるに、アルドは満足気に目を細くする。
尻尾をブンブンと左右に振り、の顔中にキスの雨を降らせた所でヴィークに視線を投げた。
「ヴィーク」
ひくひくと下半身を震わせるヴィーク。
アルドの呼び掛けに弱々しく顔を上げたかと思うと、ヴィークはまたビクンと腰を跳ねさせる。
「お前も達したのか? これまた随分楽しんだようだな」
アルドはそんな様子に口角を上げて笑い、の愛液と自身の精液に濡れたヴィークを見つめる。