第12章 その口を塞いで ホークス
「…」
今日も、すれ違いの生活だ。起きれば隣に彼はいない。帰ってくるのも夜遅く、私が眠った後。
「…」(最後に私から触れたのいつだろう…。)
プロヒーローだから仕方ない。No.2ならなおさら…。
「……行ってきます。」
シーンと静まり返っている部屋でぽつりと呟いた。当然、誰からも返事は返ってこない。
*
職場に向かう最中…。
市民A「!…ホークス!!」
市民B「ほんとだわ!ホークス〜!!」
「!…」
ホークス「やぁ、どうも〜!」
通勤中、彼を見かけた。道路を挟んで反対側。車通りが少なく、話している声が聞こえた。
市民A「これから一緒にお茶でもしない〜?ご馳走するわよ〜?」
ホークス「え〜?いいんですかぁ〜?」
「…」(嫌だ…嫌だ嫌だ…。)
市民B「え!私とも〜!」
ホークス「え〜?困っちゃうなぁ…あはは…。」
「…」(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…。)