第5章 70年後のキミへ《ブルック》
リンの再開の喜びと、命の儚さに涙しているとリンの近くにあった小さなタオルに目が着いた。
「これ…」
『私はいつかまたブルックさんが来ると信じてずっと大切にしていたんだよ…。もう70年も使っちまえばボロボロになってしまったがね。
けどこのルンバー海賊団のマークだけは綺麗なままさ』
シワシワになった手でタオルを手に取り、ブルックに見せる。
確かにボロボロだが不思議とマークだけは綺麗に整えられていた。
「もし私が来なかったらそのタオルどうしてたんですか」
『ふふっ、棺桶の中に一緒にいれてもらってたさ。』
ケホケホと咳き込むリン。優しく背中を叩き、リンを寝かせる。リンは小さくブルックの名前を呼んで、襖の奥にある箱を取り出すように行った。
指示通り取り出し箱を開けると、少し古い紙があり70年前の日付に《ルンバー海賊団 宴会場 料理》と書かれたレシピを見つけた。
『あたしゃもう作れないけどね、それ持っていきな。』
ブルックは少し席を外し、サンジに紙を渡して作って欲しいと頼んだ。
もちろんサンジは承諾してキッチンへ向かった。