第5章 70年後のキミへ《ブルック》
数秒抱きしめると「会いたかったです…」と言い、リンの手を優しく握った。
リンはしわくちゃな笑顔で、私もです。と笑う。
笑顔は70年前も今も変わらない美しさである。
「すみません。私約束守れずあいにきてしまいました…」
『いいんだよ…ルンバー海賊団じゃなくて麦わらの一味として私に会いに来てくれたんだろう…。約束は守れなかったとしても、会えたから嬉しいよ…』
「それにしても…会いに行くのが遅すぎた…すみません…」
『何言ってんだい。会うのに早いも遅いもないよ。』
『私が死ぬ前に会えてよかった』
そう言って再び微笑むリン。恐らく自分の寿命の尽きを感じ取っているのであろう。