第5章 70年後のキミへ《ブルック》
1曲演奏が終わるとリンは、おっとりとリラックスをして聞いていた。
1人静かな拍手が部屋にぱちぱちと響く。
『素敵な歌…なんて言う歌なんですか?』
「これはビンクスの酒と言いまして、私が好きな曲です」
リンは余程《ビンクスの酒》が気に入ったのか、ずっと口ずさんでいた。
その光景があまりにも愛おしく感じたブルックは微笑みながらリンの歌に合わせてバイオリンを弾いた。
それに合わせて他のクルー達も弾いていき、どんどん音色が宴会場に広まってゆく。
『ふふっ、みなさん本当に音楽が大好きな海賊なんですね!』
そう言って太陽のように笑うリンにブルックは少しドキッとした感覚を覚えた。