第5章 70年後のキミへ《ブルック》
心地いい気温。ユラユラと桜の木が揺れる頃。
ルンバー海賊団は止まる宿を探していた。
しかし皆海賊にいい思い出が無いのか追い出されてしまう。
ブルック達は最悪の場合野宿と腹を括っている所だった。
船長代理であるブルックはどんどん暗くなる空に焦りつつも、大好きな音楽でクルーたちを盛り上げていた。
そんな時だった。ブルックと同じくらいの歳の女が「あの、、」と声をかけた。
「これはお嬢さん。どうされました?」
女は少し気まずそうに下を向きながら口を開いた。
「私…宿を開いたんですけど、生憎森の中でして…なので、お困りでしたら私の宿でも…」
「本当ですか!?それは是非ともお願いします!」
喜ぶ団員達にホッと肩を落として、笑顔でブルックたちを案内した。
これがリンとブルックの初めの出会いである。