第5章 70年後のキミへ《ブルック》
子ども達について行って10分後。
森の中にあるとは思えない綺麗で大きな宿が見えた。
あまりの綺麗さにみんな思わず声を出してしまう。
中も洋と和をいい感じにアレンジしていて、とても魅力的である。
受付の女性に子ども達が事情を説明して、直ぐにチョッパーを宿屋のおばあさんの所へ向かわせた。
「それにしても世間って狭いわね。まさか、あんなロマンチックな話の、相手がブルックとは思わなかったわ」
ナミの言葉にみんなが全力で頷く。
ロビンが「会わなくていいの?」と聞けば、ブルックは少し寂しそうに「約束をまだ果たしていないので…」と言った。
「約束?」
「はい。私恥ずかしながら、70年も前に約束したのに未だに果たせていないんです。」
「どんな約束なんだ??」
「話せば長くなりますがよろしいですか?」
誰も自分の話に興味が無いと思っていたが、思ったよりみんな興味津々で「聞きたい!!」と言い出したのでブルックは少し焦った。
「ではここはひとつ…私の思い出話を____」
70年前のとある春の話である。