第4章 デザートの前に《サンジ》
あれから数週間。一向に騒ぎは消えない。毎日のように新聞には大きくリンのことが書かれている。
そして、リンも最近はめっきりご飯を食べなくなった。
本人はとても明るく振る舞うが、どんどん細くなっていく身体にみんな心配していた。
みんなで朝食を食べている時、リンの前にはさっぱりとしたお粥が置かれていた。
このお粥は半分食べれるようになっていたのだが、今はほとんど口に付けない。みんな心配そうにリンを見つめる。
そんな時外からドォォン!と何やら大砲が撃たれる音がし、その瞬間グランと船が大きく揺れた。
「海軍か!!!」
「みんな!戦闘準備だ!!リン!!お前はここで待ってろ!!絶対にここから出るなよ!!」
リンが頷いた瞬間外から聞き覚えのある声で「リン〜!!迎え来たぞぉ〜!!」と誰かが叫ぶ。
リンはその声を聞いた瞬間、変な汗を大量にかきだした。
思わず近くにいたサンジの服の裾を引っ張ってしまう。
「大丈夫か??リンちゃん…すごい汗だ…」
『はぁっはぁっ…だ、大丈夫…です。ちょっと私も外に出る…』
止めるサンジの手を振り払い、部屋から出るとリンとそっくりの男の顔が海軍の船に乗っている。
「なんだリン。お前知り合いなのか?」
ルフィがそう聞くとリンは小さな声で「お父様…」と呟いた。